令和7年10月11日現地土壌の「ツルグレン法実験」を実施し、カニムシやミミズ多数!
皆様、こんにちは!
さて、令和7年10月11日(土)グリーンパーク想い出の森の表土回復実験をした箇所としていない箇所の土壌調査を「ツルグレン法」で行いましたのでご報告いたします。
前回は「コドラート法実験」による現地観察でしたが、今回はより土の中の小さな生き物まで調べられる「ツルグレン法」での調査に変更しています。
ツルグレン法とは、土や落ち葉の中に住む小さな生き物を装置を使って採集する方法です。装置の上から熱や光を当てて土を乾かすと、生き物たちは下へ逃げていきます。
その性質を利用して、主にダニ類やトビムシ類などを効率よく集めることが出来、土壌環境の調査などによく使われています。
今回実施した土壌動物調査は、朽木 野鳥を守る会の会員4名に指導者を含めた合計5名で実施しました。
この調査に、前回お世話になりました福岡大学シチズンサイエンス研究センター客員研究員の原氏のご指導のもと実施しました。
①先ず表土回復実験を実施していない箇所から
表土10㎝の土壌を土嚢に入れて持ち帰っていただきます。
そして白い布に土壌を広げて生き物探し!
これが本当に面白い!
②次は表土回復実験を過去何度か実施した箇所
同じく土壌を掘り下げて採取。こちらでも生き物を探しました。
近くにはカナヘビの幼体、これアカショウビンの大好物です! (会員様ご提供)
カマドウマもいて、 (会員様ご提供)
ミミズの幼体も多数見られました! ドンドン地中から這い上がってきます! (会員様ご提供)
やりました!目的のミミズ増加は間違いなく結果として現れています!
また赤い細長いコメツキムシ科の幼虫やヤスデ類も確認されました! (会員様ご提供)
そして驚いたのは、カニムシです!
とっても小さいので写真を撮るのは難しいですが、カニムシはマダニを捕食してくれる頼もしい存在です。マダニを捕食するということは、エサとなるマダニが多い=ネズミなど宿主動物も一定数いるということかもしれません。カニムシは寿命が長く(5年ほど生きる種も)昆虫に似た姿ながら実はクモの仲間(クモ形類)。他の動物に便乗して移動するなど、生態的にも注目されている生き物です。
ただ同時に、ナラ枯れの被害が深刻であることも確認しました・・・・
③最後は、今年表土回復実験を実施した箇所です。
こちらは見事に草が茂っており、まさにボウボウ状態です。
この区で3回目となるツルグレン装置にかける土壌の採取をしました。
みんなで楽しく生きもの探しをしましたが、ヤマビルは見られませんでした。
この場所は元駐車場跡地で、砂利や芝生が加工された地盤のため、まだまだ生き物は少なめでした。
それでも皆さんと共に生き物探し!
ただ新たな発見が多く、本当に楽しい調査となりました。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!
この後、原氏が3か所の土壌を持ち帰り
ツルグレン装置で抽出を行って下さいます。(原氏提供)
落ちてくる生き物は、どんな種類でどの程度の数を確認できるのか (原氏提供)
もう結果が待ち遠しいです!
結果がまとまり次第、改めて公表いたします。
私たちがすすめています表土回復実験の科学的な成果が、自然豊かな森林再生と生物多様性の理解につながる事を願っています。
ご協力くださった皆様に、心より感謝申し上げます。