私たちの思い。

滋賀県高島市朽木における絶滅危惧種・希少種に指定されている野生動物の保護・保全や生物多様性維持の活動。
絶滅危惧種や準絶滅危惧種の野鳥を、もう一度取り戻し、朽木の森を自然あふれる森に再生する。

この地には、かつて「朽木のふれあいの里」が設置され、アクセス道路や地域内の周遊通路等が整備され、大都市圏からも容易にアクセスが可能な自然観察、野鳥観察の場となっていました。

しかし、現在、この施設は閉鎖され、閉鎖前の約十年から維持管理がほとんど行われなくなった工作物等は撤去されましたが、アクセスの容易さから、その後も訪れる人は少なくありません。

閉鎖後の2017年には、絶滅危惧種で、原生林に生息することから他地域でも観察が困難な「ヤイロチョウ」の繁殖が確認されましたが、アクセスの容易な当地では、その情報が拡散し、多数の観察者や野鳥撮影が趣味の人たちが集まり、繁殖への支障が危惧されたため、有志によって「朽木野鳥を守る会」名義で、ロープや注意書きの設置などで繁殖地近くへの立入を遠慮してもらうなどの活動を行い、無事に親子ともども巣立ちました。なお、この時の状況は記録を作製し、高島市の公共図書館に寄贈し、閲覧可能です。

その後、毎年のようにヤイロチョウの飛来は見られますが、営巣には至っていません。これは一例ではありますが、この地の生態系の多様性が、野鳥の生息や繁殖にとっても好条件を備えてはいるものの、必ずしも繁殖に至るわけではない、ということです。

一方で、特にデータの裏付けはありませんが、この地を頻繁に訪れる人たちの共通の実感として、近年は、野鳥の数が減り続けていることが指摘されています。

このように、野鳥の生息や繁殖に好条件をそなえている一方で、その観察への障壁が少ないことが、当地の特色ですが、現状のままではその特色が失われかねず、この特色を持続可能なものとするため、一刻も早く対策は出来ないかと危機感をいだき、2017年の有志による一時的な活動を発展させ、継続的に組織的に活動を行う必要を感じるにいたり、当会を結成いたしました。

また、これまでに、当地で営巣を試みたが、繁殖には至らなかった野鳥に「ブッポウソウ」という絶滅危惧種があります。本来は枯れ木に営巣しますが、営巣に適した枯れ木が減少したために、丹波山地から比良山地では、木製電柱を利用するケースが見られましたが、電柱のコンクリート化により営巣が困難になっています。一方、岡山県吉備中央町や長野県天龍村では、人口の巣箱によって繁殖が成功し、個体数が増加している事例が見られます。

そこで、当会では、人の営みと自然の共生のシンボルとして、先ず、このブッポウソウの繁殖環境を人工的に支援する活動として、巣箱の設置に取り組むこととし、2020年7月18日に広葉樹林の中に設置しました。この時期は、すでに繁殖時期を過ぎており、他地域での成功事例よりはるかに少ない個数であるが、来季以降に向けての準備やデータ収集のための作業としての位置づけです。

「もし、私たちの思いにご賛同いただきましたら、是非、私たちと共に、野鳥あふれる朽木の森に

戻るよう努力してみませんか。美しい自然あふれる「朽木 ふるさとの森」を、いつまでも・・・・

2021年3月15日
代表者 松田映子

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