地下の菌根菌・腐生菌・腐朽菌がつなぐ三位一体で回り始めた、朽木の森の「命のリサイクル」
皆様、こんにちは!
2026年10月18日、11月3日に当会が「表土回復実験地」および「植樹した鹿よけネット柵内」にて、高等菌類(キノコ)の発生状況と、過去4年間にわたり植えてきた苗木たちの成長現況を調査いたしましたのでご報告します。

先ず3年前に植樹した箇所は、見事に林床がグリーン化し、在来草本が定着し成長しています。

2年前の植樹した箇所も、成長が著しく良好で、樹勢の力強さが肉眼でもはっきりと分かります。

去年の植樹した箇所、最初の冬を乗り越え、非常に順調に根づいています。

今年植樹した箇所、植え付け直後から衰退せず、瑞々しく良好な健康状態を維持しています。
当会の苗木たちはこれほどまでに生き生きと、驚異的なスピードで育つのは、今までの表土回復実験によって地下に張り巡らされた菌類(外生菌根菌・腐生菌・腐朽菌)のネットワークにあるように感じています。
1,外生菌根菌


オオワカフサタケ、あちこちにこの菌類が多く


オオワカフサタケ幼菌や


オオワカフサタケ老菌も多く自生していました。



キツネタケもあちこちに自生し


ドクツルタケも多く見られ、

アキヤマタケや

チチタケ、

クサハツ、

ツチグリも自生し、この菌根菌類が樹木への水分やリン酸などの栄養を効率よく苗木に送り届け、成長を促進し、このネットワークを通じて成熟した老木が、植えたばかりの幼い苗木へ栄養を分け与えて助け合うという奇跡の相互作用が、地下で実際に起こっているように思えます。
2,腐生菌


ホウライタケの仲間や


ナギナタタケ、キレイですネ。
このような腐生菌は、地面に積もった古い落ち葉をせっせと分解し、ミミズやダニ、トビムシといった土壌小生物たちが大好物とするフカフカの極上の腐葉土へと生まれ変わらせるようです。
3,木材腐朽菌


アミヒラタケや

カワラタケ

ハカワラタケや


クヌギタケも見られ

ヌメリツバタケ、可愛い!

ヒメカバイロタケ、いろんな腐朽菌もありました。
この木材腐朽菌は、役割を終えて倒れた古い丸太や枯れ枝を分解して、次の世代の植物たちの新しい栄養へとバトンタッチさせる、森の偉大な解体屋のようです。
このように菌根菌類・腐生菌類・木材腐朽菌類という3つの菌類が揃って自生しているという事実は、土壌の歯車がキレイに回って生物多様性による森林の回復度合いを示しているように感じています。


このカレエダタケは菌根菌ですが、汚染のないピュアな森林土壌の最高峰のバロメーター(環境指標菌)です。このカレエダタケの自生を見られたのが嬉しかったです。
まだまだ森林保全には難題も多く、手探りの環境再生の途上ではありますが、今回の調査によって、地下の菌根菌類・腐生菌・腐朽菌という3つの異なる菌類ネットワークが同時に揃って自生している事が科学的に実証されました。
これは、失われていた里山の土壌の歯車がキレイに回りはじめ、森が自ら回復していくための健全な生命循環の土台が、確かにこの朽木の地に芽吹き始めている証明になっているように感じています。

