令和7年11月22日原氏の「野鳥が好む土壌動物の多様性」講演、カニムシ等大反響!
皆様、こんにちは!
では、令和7年11月22日、福岡大学商学部シチズンサイエンス研究センター客員研究員の原氏にご講演いただきました「野鳥が好む土壌動物の多様性」についてご報告させいただきます。
会場はグリンパーク想い出の森の「ふぉれすと館」にて実施し、ご参加いただきましたのは合計12名でした。

先ずご挨拶と注意点等ご説明し、拍手でお出迎え!(会員様提供)
当会会員様が自らカメラマンとして撮影してくださり、本当にありがとうございます。

そして会員の皆様が、多数のお土産やお菓子を持ち寄って下さり、本当にありがとうございます!

では、ご講演開始!

先ず、原氏が自己紹介から始まり

森林と鳥たちの関係とは、私たちの食料や趣味・生物との循環等とも関係していてとっても大切な循環であり、これからも守っていかなければいけない大切な存在であるとともに

特に絶滅危惧種のヤイロチョウは、2007年研究結果が公表された論文に「ヤイロチョウはミミズの生息数で繁殖地を決める」というショッキングニュースもありました。
確かにミミズの生息数、これが本命でしょう!

鳥類を保全するために土壌環境を整える取り組みはまだまだ少ないようです。

そこで、2年前表土回復実験した箇所としていない箇所の土壌動物数を比べ、コドラート枠を実施しハンドソーティングによって、採取した土壌動物を調べた結果

明らかに、表土回復実験した箇所は、していない箇所の3倍以上土壌動物が確認出来ています!!!
しかし、ハンドソーティングだけでは、すばやく動き回る土壌動物や、目ではほとんど見えないほど小さな土壌動物を見逃してしまいがちです。そのため今年度は、ツルグレン装置を使って、そこにどんな土壌動物が棲んでいるのかを調べてみました。

ツルグレン法は、採取した土壌を持ち帰り光と熱によって土壌動物を下に落とす方法です。

今年は、上記の①表土回復時実験していない箇所、②表土回復実験した箇所、③今年表土回復実験した箇所の合計3か所にて、令和7年10月11日にツルグレン装置で使用する土壌を持ち帰っていただきました。


この土壌から光や熱でツルグレン法で下に落ちてきた土壌動物を、事細かく原氏が顕微鏡で見てくださったのがこの写真です。
①表土回復実験していない箇所に、何とカニムシ多数!
②表土回復実験した箇所には、ムカデとアリですネ。


いろんな土壌動物が出てきて、もう圧巻!

参加者全員が、朽木の森にいた土壌動物を顕微鏡で見て驚きだらけ!

特に関心があったのが、カニムシ!
カニムシは、ダニやトビムシなどの捕食者で、土壌生態系のバランスを保つ役割を担っています。
もう顕微鏡に夢中になって全員色々見させていただき、ミミズにも毛が生えていたのは驚きでした。

このように表土回復実験した箇所と、していない箇所の土壌動物の数は、していない箇所の方が多かったそうです・・・ショック!
でも、表土回復実験した箇所の持ち帰っていただいた土壌は、乾いた乾燥地でしたから仕方無かったです。表土回復実験していない箇所は、湿気が多いくぼ地だったから納得出来ました。
ただ、表土回復実験した箇所では湿気の多い箇所でミミズがドンドン土中から這い上がってきましたので、ミミズ繁殖が多く見られたのも事実です。
来年度からは、朽木の森の土壌動物たちを網羅的に知るために、現地でのハンドソーティングとツルグレン装置を使った調査を組み合わせて進めて行きたいと思います。
この後、各質問等も色々出て、あっという間の講演会でした。
ご参加いただいた皆様、私も含めこんなに土壌動物がいろんな役割を持ち、生物多様性の中、懸命に生きている環境に改めて環境の大切さを実感した次第でした。
奥深い野鳥が好む土壌動物の多様性、ありがとうございました。
