令和5年11月26日「第2回講演会」森林土壌から見える野鳥、コドラート法実験結果報告!

京大原氏講演 活動日記
京大原氏講演 京都大学野鳥研究会 朽木野鳥を守る会 コドラート法実験結果報告 森林土壌から見える野鳥

皆様、こんにちは!

さて、令和5年11月26日にグリーンパーク想い出の森・ふぉれすと館にて実施しました「第2回講演会」の結果報告を2回に分けてお知らせします。

参加人数は、合計11名で京都大学野鳥研究会の皆様もご参加いただき、大いに盛り上がり有意義な講演会でした。

先ず、京都大学院理学研究科生物科学専攻・原氏の「森林土壌から見える野鳥」からご講演いただきました。

1,森林と鳥たちの関係

鳥類が担う多様な生態系機能の大部分は,生態系サービスとして人間に利益をもたらし、鳥類は捕食、移動、および排泄を通じて、種子散布・花粉媒介・餌生物の個体数抑制、死体の分解・除去、および栄養塩類の循環などの多様な生態系機能を担っている。しかし、鳥類がもたらす生態系サービスについての人々の理解は未だ不十分であるため、それら鳥類が担っていた生態系機能が失われることによって、初めてその価値を認識しているのではないか。

この森林の中でも「ヤイロチョウ」の繁殖について、2007年愛媛大学大学院連合農学研究科南谷幸雄・石塚小太郎・塚本次郎氏の論文では、ヤイロチョウの主な営巣場所は常緑広葉樹林の沢沿いと考えられ、両者の一致から、餌資源の豊かさはヤイロチョウの営巣場所選択の重要な要因の一つであると結論した、とありました。

そして、今年6月には「保全生物学の暗黒面‧保護区は近くの生物多様性を表現できていない」という論文が、Colado氏らが発表されている。
よって、この会が実施している土壌開拓からスタートした表土回復実験は、「ヤイロチョウ」等絶滅危惧種に限らず、あらゆる鳥類の餌場や繁殖保全にもマッチしていると考えられる。

この場面は、皆様真剣なまなざしで聞いていました。

2,土壌動物調査法ですが

調査法も色々あり、ベイトトラップ法やツルグレン法・コドラート法・ハンドソーティング法のご紹介があり、当会が実施しましたコドラート法の結果報告です。コドラート法実験https://kutsuki-birds.com/?p=2788

補足:当会が実施しましたコドラート法実験は、今年表土回復実験した箇所(タイプ1)・表土回復実験をしていない箇所(タイプ2)・去年一昨年表土回復実験した箇所(タイプ3)で3か所ずつ採取した小動物の結果表です。

見てのとおり、表土回復実験した箇所には明らかにヒメミミズ・フトミミズが生息し、それ以外はクモやナガコムシ・ユスリカ等でフトミミズもいましたが数が断然違います。

更に詳細を見ると、タイプ3はタイプ1とタイプ2に対し、倍以上の個体数の平均値になっている。

この結果により、土壌の保全として表土回復実験の効果アリ!!!ではないかと思います。

ただし、ミミズや小動物増加になるまでには時間が必要だという事が証明されました。

これは大いに当会の表土回復実験成果と言えるでしょう!

今後の課題として、土壌調査も色々ありますが、コドラート法実験は継続し、どのように土壌が変化しているのか調査する価値がある。そして、物理化学性としても、土壌そのものをもっと調べる必要性もあるのではないか、等。本当に有意義な講演内容です!

このコドラード法実験ですが、コドラート枠の中の土を掘り起こしてハンドソーティング法で土壌動物を捕獲しました。過去は虫が大嫌いだった私ですが、野鳥保全活動を実施する中、この土壌の小動物や昆虫がいかに大切な働きをしているのか、生物多様性の重要性も見えてきた気がします。しかも、タイプ3の調査地に「タカチホヘビ」まで出ましたので、土壌の重要性を改めて、認識した次第です。

やはり、生物多様性の保全は、先ず土壌から見直すべきだと結論出来たように思います。

この原氏の講演に、皆様も夢中になって聞き、後に全員の参加者の皆様から質問も殺到し、大いに楽しく有意義な講演でした。

この次は、「第2回講演会」京都大学野鳥研究会の元会長一色氏による「生物多様性の基礎知識」についての講演です。

 

 

 

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